そういえばご紹介してなかったです、MeMoves。
ミームーブズと読みます。上の動画を見てみてください。
画面に表示されるシンプルな図といろんな表情や笑顔で手をその形に動かす人が、なんだか落ち着くなーという音とともに動いているのを見るだけです。
その通りに動かねばならない、ということはなくてなんとなーく聞いていて、なんとなーく同じような動きをしてみたり、が起こると気持ちが落ち着くのです。
自閉症スペクトラムのパニックやかんしゃくが落ち着く。
PTSDなどトラウマの強い方が落ち着く。
教室で注意がそれて起こる行動が明らかに減った。
高齢者の施設で使われて、険しい表情だった方がとても穏やかな笑顔を見せるようになった。。。
作業療法 OT領域でずいぶん使われていて、SSPを開発した ポージェス博士 Dr Stephen Porges の ポリヴェーガル理論 Polyvagal Theory に基づいています。
(固有受容覚から)音楽、リズム、顔の表情、ジェスチャー。。の刺激だけです。
一見シンプルな刺激に見えますが副交感神経への働きなど多くの経路から自己調整 Self-Regulation に大きな効果があることが証明されてきています。自己調整が整うと、何か脳下部が引っかかって伸び損なっていた脳の上位構造も伸びるのです。iLsやSSPと同じ、ボトムアップの仕組みを生かしていると思います。
自閉症スペクトラムや多動のお子さんは早い動きが得意でゆっくり動くのが苦手ですが、その部分をちょうど補って働く様に感じます。またそのゆっくりがまたリズムと相まって落ち着かせる効果があります。とても気持ちが穏やかになる音だけで、あとは画面でいろんな人、素敵な人と一緒に動くだけです。
カナダ、アメリカから世界のあちこちで、幼稚園小学校の教室5000校以上、高齢者施設まで取り入れた事例も数知れず。
私は主にVoiceProセッションでよく使ってます。
もう、日本でも使ってる人いそうだけど、あまり聞こえてこないですね。
自閉症スペクトラムの娘さんが、自分の内にこもって自己調整がうまくいかず、感情、ストレスのコントロールが効かない、見てるのが辛い時 MeMoves を開発したそうです。開発者本人も自宅が全焼する大火事から決死の生還後パニック障害に苦しんでいました。パートナーとMeMovesを作り上げました。。医者からは多分字を読めるようになることは期待できない、と言われていたそうです。
ですが、少しずつ MeMoves の動きを模倣し始め、字が読めるようになり。。ゆっくり少しずつ変化して、思春期には重度の自閉症ではなくてアスペルガーという感じ、高校生の頃には学校で配慮を得るのがむしろむずかしくなったそうです。
日本語ぺらぺらになったんだそうで、2年前くらいにそのお嬢さんが渋谷に来たり?なんて記事も Facebook に載ってました。肝心の開発エピソードを訳そうと思ったら見つからなくなってしまって、ごめんなさい。また書きます。
最近はトラウマにも効果が発揮された研究結果が発表されており、迷走神経、自律神経系からのアプローチがいかに自己調整 self-regulationと直結しているか、発達、言葉の遅れ、注意力、不安、トラウマ、アルツハイマー病などが改善することがわかってきています。
MeMovesはHPを開くと、動画が提供されており、結構たくさん体験できます。家庭で実施するには個人で支払い後ダウンロード、3種類のデバイスで利用できるようになっています。2018年7月に検索していて発見したのですが、時々ディスカウントのある時期があるのですね。MeMovesとMoreMemovesで$199が$119の時もあったようです。
よかったら私のところで体験してみてください。
MeMovesの創始者 ロベルタ・シャーフの言葉です。
「私の仕事は皆、基本的に自分と娘のポテンシャルを生み出す、ライフライン 生命線を作る必要があって生まれたものです」"All of my work came out of needing to create an opportunity, basically needing to create a lifeline for myself and my daughter." - Roberta Scherf, creator of MeMoves
MeMovesの説明(ホームページから引用・訳)
🔵説明(MeMovesのホームページ訳)https://prio-health.com/memoves/about/what-is-memoves-and-morememoves/より
MeMovesとMoreMeMovesはマルチメディア型感覚運動プログラムで、心身を大きく変化させます。副交感神経を活性化させる特許を持つシステムに基づいており、使った人の自己調整 self-regulation に早い段階で効果を与えます。それぞれのパートは特許となる音楽・動き・シンプルな幾何学模様の形でイメージが組み合わせとなっています。
Joy (嬉しい気持ち) , Calm(落ち着く), Focus(集中する)の3つのカテゴリに分かれており、どれか一つを選んでできる範囲で真似をしてみることになります。
新しいスキルを学ぶとか完全に同じ動きをできるようにするということが目的ではなくて、ただ何かの動きをしてみる、ということで、例えば前後に揺れてみる、というのでも構いません。
このプログラムの不思議に人を惹きつける、多感覚を刺激するデザインは神経システムを穏やかにしたり、活性化したり、注意力を向上させ、感情の調整や行動の変化をもたらします。早い段階で起こる自己調整だけでなく、4〜6週の間決まったペースで使うことで一定の成果が起こります。研究結果では、発話や言語が増加し、目が合うことが増え、真似をするようになったり、情報処理の力が伸び、運動能力が伸び、社会性や、ものを整理することができるようになったり、人と協力して動くことが増える、と報告されています。
2010年の発表以来、MeMovesはアメリカ・カナダの 5,000 以上の学区、セラピーセンター、病院や家庭で使われています。教室の8割は普通級、あるいは定型発達の子供たちの教室です。幼い子供から年配の方まで、広い年齢層に活用されていますが、3歳前後の未就学児プログラムとしても使われています。
2017年にはMoreMeMovesというプログラムが追加され、オリジナルのMeMovesに積み重ねて使うよう、新しい、音楽と12ユニット、そしていくつもの新しい笑顔が、新しい出会いと教室へ届けられています。
MoreMeMovesは内容が増え50分となり(MeMovesは36分)さらにたくさんの笑顔(MeMovesは40人、MoreMeMovesは50人のいろいろな年齢の方が出演されています)と出会うこととなり、さらに新しい音楽と動きが加えられました。MeMovesから途切れずスムーズにつながり統合されるデザインとなっています。
年齢や能力と関わりなく、MeMovesやMoreMeMovesを1日2、3分使うことでストレスを軽減し、気分を変え、集中力を高めることができます。