いつもRDI サイト(RDI Community と言います。コンサルタントだけでなくご家族にもオープン)では、ASD, ADHD などに関わる研究や出版について最新の情報や疑問、話し合いがシェアされています。
児童精神科の医師もいますし、私のような心理職、言語聴覚士、作業療法士、当の療育取り組み中のご家族含め、広い領域の専門家が参加して情報を共有しています。
iLs 統合リスニングシステムからも、OT領域が多く、聴覚処理だけでなく睡眠や身体と発達に関わる興味深い研究について即座にレポートがきます。
今日は、先週末、RDI Communityでコンサルタントが「怖くなる」研究結果と言っていたものが比較的短い記事なので訳してみますね。
Mathilde De Robien | Feb 09, 2019 Alteia
Monday 11 February | The Blessed Virgin Mary—Our Lady of Lourdes
Early screen exposure linked to cognitive and developmental problems in children
この記事を発表した団体は「障害と早期のメディア曝露:日本の子供の、自閉症スペクトラム障害様の神経行動学的症状」という論文もサイトで紹介しています。
以下引用して訳します。
幼児期のスクリーンへの曝露が子供の認知・発達の問題につながる
フランスからの統計にはぞっとします、というのはアメリカでも共通の問題だからです。
再三のことですが、専門家が子供達を電子機器のスクリーンにさらすことの危険性について警鐘を鳴らしています。これは特に驚くことではなくだいぶ前から専門家から指摘されていることです。ですがこの数値(フランス)は本当に憂慮すべきレベルです。
フランスのルモンド紙が1月17日に発刊した公開討論で、CoSE,(直訳するとフランス・スクリーン過剰曝露(に反対する)共同体)を運営する専門家たちの研究結果を明らかにしています。子供達の知的障害・認知障害が急増していることについて強い懸念があり、子供達を電子機器のスクリーン(テレビ、コンピュータ、タブレット、電話)に幼い頃からさらすことをやめさせる必要がある、と主張しています。
国立教育省が2018年に発表した基準となる研究と統計には、学校に通う子供達が色々な認知的遅れに苦しんでいると報告されています。
「この結果は異常だ」とCoSEの代表は嘆いています。
「2歳から11歳で知的発達・認知発達・心理的な問題・言語障害を抱えている子供達の数が激増している。2010年に比べ、知的遅れと認知障害は24%、心理的な問題は54%、発語や言語障害は94%増加している」
この10年足らずの間に自分を表現したり、学んだり、感情を表現することがうまくできない子供たちがどんどん増えているということです。
スクリーンへの過剰曝露との関係は?
小児科医、小児精神科医、心理学者と関係する分野の専門家が皆この疑問を感じています:子供たちの問題がこれだけ深刻になっているのは環境の原因がどれくらい関係するのか? 過去20年の多くの研究がスクリーンへの幼い時期からの曝露と、睡眠、言語、行動、注意の障害に因果関係があることを指摘しています。
子供たちが幼年期以降さらに成長していく過程では、スクリーンへの曝露が運動不足、体重増加、視力の問題、気分の変調(不安、孤独感、うつ状態)、ポルノや暴力にさらされることによる偏った性的嗜好、暴力傾向に影響することを検証しています。
幼い子供がテレビを見すぎている
この戦いは厳しい結果になるでしょう、当の保護者たちはこの事実を考慮に入れている様子が全くないからです。多くの専門家が3歳以下の子供たちをスクリーンにさらすべきではないと強く訴えているにもかかわらず、フランス長期幼年期研究によると2歳児の3分の2が毎日テレビを見ているのです(大西洋の向かい側アメリカでも同じ状況が統計報告されている)。CoSEはフランス政府が研究チームを支援するよう求めています。国が主体となりこの問題に関する疑念を解消する研究結果を発表し、保護者へのサポート体制作りを含め、子供達へのリスク対策を国家レベルで講じるよう訴えているのです。
誰か他の人にやってもらおう、ではダメ
子供が何歳でも、スクリーンを見せておくのが子供たちを楽しませておいてその間保護者が仕事したり他のことをする時間が取れる楽な方法であるのは間違いありません。けれどその「楽をする」ことの代償が計り知れないことをあらゆる情報が示しているのです。保護者が子供たちの未来を守るために今こそ行動を開始すべき時なのです。スクリーンタイムを制限し、年齢に合った他の遊びや教育方法、特に親子で一緒に何かやり取りをする活動(ボードゲームをする、本を読んだりお話を作ったり工作をするなど)へ転換するのです。確かに保護者の側の犠牲を伴います、おそらくは大人たち自身がスクリーンタイムを制限することから始めるべきなのでしょう、けれどそこから得られるものは、子供たちのより豊かな将来なのです。
続きが、「誰もまだ語っていない、スクリーンが子供に与えるリスク」です。気になる。。。The screen time risk for kids that no one is talking about